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<title>何やらゆかし</title>
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<title>私はここにいるでしょう（ラスト）</title>
<description> 「エリカ様、私はただのロボットなんですよ。それでも本当によろしいのですか？」　真新しい墓標に降り積もる雪を、飽きることなく払いのけながら、ユキオは静かに言葉をつむぐ。冷たい墓標に頬を押し当てて目を閉じると、少女の柔らかな笑顔が胸を満たし、心がぽっとあたたかくなる。あなたが私を愛してくれた奇跡を思えば、どんな夢もかなう気がする。　だから、ここにいるでしょう。　生まれ変わったあなたに再会できるその日ま
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<![CDATA[ 「エリカ様、私はただのロボットなんですよ。それでも本当によろしいのですか？」<br />　真新しい墓標に降り積もる雪を、飽きることなく払いのけながら、ユキオは静かに言葉をつむぐ。<br />冷たい墓標に頬を押し当てて目を閉じると、少女の柔らかな笑顔が胸を満たし、心がぽっとあたたかくなる。<br />あなたが私を愛してくれた奇跡を思えば、どんな夢もかなう気がする。<br />　だから、ここにいるでしょう。<br />　生まれ変わったあなたに再会できるその日まで、私はここにいるでしょう。<br /><br /><br />（了）<br /><br />＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ ]]>
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<dc:subject>私はここにいるでしょう</dc:subject>
<dc:date>2008-12-29T22:23:38+09:00</dc:date>
<dc:creator>由季</dc:creator>
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<title>私はここにいるでしょう⑨</title>
<description> 背後のドアが勢いよく開き、数発の銃声が轟いた。　一発、二発、三発、四発までは、エリカの前に仁王立ちしたユキオの身体を傷つけたが、最後の一発がエリカの胸を貫いた。「エリカ様！」　抱きしめた腕を赤く染める鮮血に、ユキオは声にならない悲鳴をあげた。　その後のことは、ぼんやりとしか覚えていない。やがて始まったA国による総攻撃で、建物の中にいた人間は、ことごとく命を奪われた。ユキオたちを追い詰めた兵士たちも
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<![CDATA[ 背後のドアが勢いよく開き、数発の銃声が轟いた。<br />　一発、二発、三発、四発までは、エリカの前に仁王立ちしたユキオの身体を傷つけたが、最後の一発がエリカの胸を貫いた。<br />「エリカ様！」<br />　抱きしめた腕を赤く染める鮮血に、ユキオは声にならない悲鳴をあげた。<br /><br />　その後のことは、ぼんやりとしか覚えていない。<br />やがて始まったA国による総攻撃で、建物の中にいた人間は、ことごとく命を奪われた。ユキオたちを追い詰めた兵士たちも、ユキオの目の前で肉片となって飛散した。<br />「生まれ変わって、また、ユキオに会いたい」<br />　少女が最後に残したその言葉がなければ、ユキオもあの場所にとどまったまま、一歩も動くことができなかった。<br /> ]]>
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<dc:subject>私はここにいるでしょう</dc:subject>
<dc:date>2008-12-29T22:21:26+09:00</dc:date>
<dc:creator>由季</dc:creator>
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<title>私はここにいるでしょう⑧</title>
<description> 「でも、私には、逃げろとおっしゃいました」はりつめた瞳が真っ直ぐこちらを見つめている。「そうよ、ユキオには逃げて欲しいの。でも、私はだめ。知っているでしょう？　この戦いを引き起こしたのはお父様なの。誤作動を起こしたのはお父様が開発したミサイルだったのよ」　透き通るように白い肌がほこりと涙で汚れていて、無意識に伸ばしかけた手を、ユキオははっとして引っ込めた。「だから何だというのです。莫大な謝礼と引き
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<![CDATA[ 「でも、私には、逃げろとおっしゃいました」<br />はりつめた瞳が真っ直ぐこちらを見つめている。<br />「そうよ、ユキオには逃げて欲しいの。でも、私はだめ。知っているでしょう？　この戦いを引き起こしたのはお父様なの。誤作動を起こしたのはお父様が開発したミサイルだったのよ」<br />　透き通るように白い肌がほこりと涙で汚れていて、無意識に伸ばしかけた手を、ユキオははっとして引っ込めた。<br />「だから何だというのです。莫大な謝礼と引き換えに博士にミサイルの開発を命じたのはこの国の首相だ。湯川博士の責任なんかじゃない。それに、私はあなたのために作られたロボットですよ。エリカ様を置いて逃げる理由などどこにも……」<br />「あるわ」<br />　ぐっとネクタイを引っ張られて、もう一度ひっぱたかれるのかと思ったら、柔らかな感触がふわりと頬に触れて離れていった。<br />「私、ユキオのことを愛している。心がないなんて信じない。だって、ユキオは優しくて、こうして手を握っていると、心がぽっとあたたかくなるんだもの」<br />　エリカの声はすさまじい砲声にかきけされてしまったが、ユキオの聴覚センサーを通じて記憶回路にしっかりと刻み込まれた。だが、思いも寄らぬ告白に気をとられたことが、痛恨のミスを生むこととなる。<br /> ]]>
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<dc:subject>私はここにいるでしょう</dc:subject>
<dc:date>2008-12-29T22:19:29+09:00</dc:date>
<dc:creator>由季</dc:creator>
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<title>私はここにいるでしょう⑦</title>
<description> 「降ろして」「あ、気がつかれたのですね。でも、この階段をお一人で下りるのは……」「いいから降ろして！」ただならぬ口調に、ためらいがちに従うと、いきなり平手が飛んできた。痛みなど感じるはずもない。だが、白い手を赤くはらした少女を前にして、ユキオは動きを止めてしまった。「自分だけ逃げるわけにはいかないわ、ホールに閉じ込められた人たちの中には、幼い子供たちや、生まれたばかりの赤ん坊だっているのよ！」きっぱ
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<![CDATA[ 「降ろして」<br />「あ、気がつかれたのですね。でも、この階段をお一人で下りるのは……」<br />「いいから降ろして！」<br />ただならぬ口調に、ためらいがちに従うと、いきなり平手が飛んできた。<br />痛みなど感じるはずもない。だが、白い手を赤くはらした少女を前にして、ユキオは動きを止めてしまった。<br />「自分だけ逃げるわけにはいかないわ、ホールに閉じ込められた人たちの中には、幼い子供たちや、生まれたばかりの赤ん坊だっているのよ！」<br />きっぱりと告げられて、ユキオは困惑を隠せない。<br />エリカは気まぐれで、わがままで、その言動は、いつもユキオの予想を裏切り、ユキオの中に内蔵されたコンピュータを混乱させる。<br />だが、単なる気まぐれやわがままで、こんなことが口にできるはずはない。<br /> ]]>
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<dc:subject>私はここにいるでしょう</dc:subject>
<dc:date>2008-12-29T22:18:26+09:00</dc:date>
<dc:creator>由季</dc:creator>
<dc:publisher>FC2-BLOG</dc:publisher>
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<title>私はここにいるでしょう⑥</title>
<description> 出口に向かって逃げ出すことが自殺行為だ。外の土を踏んだ瞬間に、窓に取り付いているB国の兵士たちがいっせいに狙い撃ちしてくるだろう。追いかけてくる連中との距離を正確にはかりつつ、ユキオは廊下を直進した。二百年前に作られた庁舎の建物の地下に隠し部屋があることを、湯川博士から聞いたことがある。かつて地下道で外とつながっていたその部屋は、地下道が土砂で埋まったために、今では脱出路の意味を持たなくなっている
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<![CDATA[ 出口に向かって逃げ出すことが自殺行為だ。<br />外の土を踏んだ瞬間に、窓に取り付いているB国の兵士たちがいっせいに狙い撃ちしてくるだろう。<br />追いかけてくる連中との距離を正確にはかりつつ、ユキオは廊下を直進した。<br />二百年前に作られた庁舎の建物の地下に隠し部屋があることを、湯川博士から聞いたことがある。<br />かつて地下道で外とつながっていたその部屋は、地下道が土砂で埋まったために、今では脱出路の意味を持たなくなっている。だが、A国の総攻撃をかわすことはできるかも知れない。<br />　ユキオは廊下の突き当たりの客室に身を滑らせ、すばやく中から施錠した。<br />　部屋の隅に置かれた年代ものの巨大なクローゼットを動かすと、そこだけ色の違う正方形の床板が現れた。<br />床板は難なく外れ、足元に小さな地下室が除いている。<br /> ]]>
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<dc:subject>私はここにいるでしょう</dc:subject>
<dc:date>2008-12-29T22:16:14+09:00</dc:date>
<dc:creator>由季</dc:creator>
<dc:publisher>FC2-BLOG</dc:publisher>
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